「採譜の鬼!」ヘの道──プロローグ──


 「市販の楽譜が無い、でも演奏したい」
そんな時は誰かが採譜するしかありません。

「自分では出来ないよー!」──僕に依頼して下さい(笑)。

でも、自らの力で何とかしたい…とお思いの方もいるかも知れません。
『人生はチャレンジだ、チャンスを掴め!』とアニマル浜口さんも
言っておられますし。

実際、譜面を書くうちに出来るようになる部分も多いと思います。

このコラムでは、やってみよう(必要に迫られてでも良いですが)と
思った方の助けとなる内容を、思い付くままに書いてみます。


 第1回は、──採譜の為に必要なモノ(能力)とは?──です。


 僕は普段、採譜の中でも「ビッグバンドの採譜」を専門にしてるんですけど、
これは採譜の中でも難易度の高い作業になります。

Sax5本・Trumpet4本・Trombone4本の管楽器。

Guitar/Piano/Bass/Drumsのリズム隊。

 "これだけの楽器を聴き分けるってどういう事?"
"何で分かっちゃうの?"と不思議がられる訳ですが、
別に超能力では無いんです。(近いものはあるかも)

いくら絶対音感があっても、全てを聴き取るのは難しいです。
残念ながら…。

特にビッグバンドの様な大編成になってくると、いわゆる理論とか
「音感以外の部分」が大事になってくるんです。
それが音感の補完をしてくれます。

今でこそ手早くスコアを書き上げる僕ですが、
初めて依頼された頃はホント大変でした。

「音感以外──」の支えが無いものだから、
とにかく絶対音感を頼りに聴きまくるしかありませんでした…。

一応、和声の知識はあったんです。

ただJazz特有のハーモナイズ、パートの割り振り、
楽器毎の使い方のお約束(音域etc.)。
こればかりは試行錯誤の連続でした。

 そんな状態を抜けだせたのは、Macで譜面製作していた事。

自宅で何度もチェックできた事で、モノホン通りに
再現出来るようになってきました。

今、採譜をマスターするならPCは必需品でしょう。

まあ道具はともかく、音感を含めた「必要なモノ」はこちら。
 
絶対音感/相対音感。
音楽理論/和声。
オーケストレーション/アレンジ。
楽器(ピアノ以外)の経験。
(音を出した事があれば良い=ハイノートの苦しさを味わう)
少しでも鍵盤楽器を弾ける。(ピアノ/キーボード類)


採譜をマスターするには、これだけのハードルがあるんですよね、ハー…。

ここまで書いてきて「よく出来るようになったなー」と自分でも驚きです(笑)。
書くだけでシンドイわー。

次回は、音感がらみで──採譜に絶対音感は必要無い?──です。